1)「全体像」を知る
「現状俯瞰元帳」には、以下のような5つの切り口が用意されています。現業部門から経営者になった場合や、他社から転籍された場合、事業継承をされた場合など、自社のITの全体像を素早く把握したい場合に力を発揮します。
・システムに関係する業務の全体像「ヒト」
・情報システム基盤の全体像「モノ」
・情報システムに関する費用の全体像「カネ」
・歴史経過を把握する「トキ」
・核となる事業内容を把握する「カテ」
2)IT部門とのコミュニケーションツールとして
以下のような経営層とIT部門や現業部門との会議体において、上記の全体像を見ながら「今どの案件について議論しているのか」といった相互の情報共有・把握レベル合わせのツールとして活用することができます。全体像が見えている人と対象範囲しか見えていない人では、とかく議論が噛み合わなくなる場合があります。「現状俯瞰元帳」をレベル合わせのツールとして使うことで、会議体の効率的な運営の力を発揮します。
・経営戦略策定時
・情報化計画策定時
・システム関連投資の稟議評価時
・システムリスク検討時
3)「取引先」を知る
情報システムは年々複雑になってきています。自社だけで情報システムを構築し維持運営していくのは至難の業になってきています。システム開発や運用などIT専門の会社と上手く付き合っていくことは、これからの事業運営において大変重要なこととなります。外部委託先との契約概要を把握し、「何をこれまで委託してきたのか」、また「これから何をお願いしたいのか」など外部委託業務の全体像を把握し、大切なパートナーとして外部委託先との関係維持に利用することができます。
・外部委託先検討時
・外部委託先交渉時
4)「情報システムリスク」対策として
システム障害や情報セキュリティの事故は、ITの恩恵の裏側の面になります。ITは効率的に使えば事業の強力な武器となりますが、システム障害や情報セキュリティのリスクと常に背中合わせにあります。もしシステム障害や情報漏えいなどで顧客に悪影響を与えることになった場合、事業運営や会社運営にまで大きな影響を与える場合があります。自社のITの全体像を把握し、どの部分に脆弱なところがあるかなどを把握し、事故を未然に防ぐ施策や障害の再発防止策を検討する場合、「現状俯瞰元帳」は大きな力を発揮します。
・システム障害時、または障害再発防止策の策定時
・情報セキュリティ事故時、または情報セキュリティ事故再発防止策の策定時
・災害復旧時、または復旧計画策定時